エゴとはなにか

princess

 

「エゴは生まれたり消えたり、たえまなく変化しています。あなた方はこのたえず変化するエゴが自分の人生を支配すると思っていますね。

まったくのナンセンスですよ。人は休むことなく 〈 自分 〉 というアイデンティティを創造し続けていますが、それは、何か考える対象となるもの、

いじくることができるもの、 〈 本当の自分 〉  と呼べるものがほしいからです。人はいまこの瞬間にありのままにいるよりもその方を好みます。

みなさんに質問してもいいですか? エゴを探しているのは誰ですか。エゴを壊そうとしているのは誰ですか。誰が感じているのですか。

誰が考えているのですか。こうした質問に答えるには、いまこの瞬間にあるものを詳しく調べる必要があります。

調べてみると、そこには、一塊りの記憶が生まれては消え、たえず変化しているのがわかります。まるで沸騰した湯におどる泡のようです。

生まれたり消えたりしないものは、そうした水泡をながめている ” わたし ”  で、常にそこにあります。それは変化しません。

詳しく調べてみると、エゴというのは一定の継続した実体ではないことがわかります。エゴは、記憶が繰り返し不完全な形で作り出したものです。

記憶は過去の出来事の再現にもなっていません。昨日起きたことを思い出す場合も、その出来事のすべての面を完全に思い出すわけでは決してありません。

過去のイメージの一部を不完全に回想するにすぎず、しかも生気を欠いています。

いまの瞬間の深い静寂の中にあるとき、人はこの分離した 〈 自分 〉 を感じません。思考が止まったとき、そこにあるものは思考しない純粋な意識です。

〈 自分 〉 はその一瞬だけ消え去り、やがてまた思考が生まれます。あなた方はこれを何度も繰り返しています。

人と一緒にいるときでも、いまの瞬間に意識を向けて、内なる静寂から話せるようになります。

人々がもっとも深い愛を感じ合うのは、ふたりが、過去を思い出すことも未来のことを考えることもなく、いまこの瞬間に意識を向けているときです。

ふたりはおたがいがいまこの瞬間どんな人間であるかを見ます。

『 あれをしたから、悪い 』とか、『 あれをしたから、良い 』という発想はそこにはありません。

あなたがいつでも人にあげられる贈り物は、相手の人といまこの瞬間の静寂の中に一緒にいることです。これを練習してみてください。

すると四十年来の知り合いがまったく新しいひとに見えてきます。まわりの人たちがいかに美しくてすばらしい人たちかがわかって、

びっくり仰天してしまうでしょう。

彼らはあなたが思っていたような人ではなかったことがわかります。あなたの誤った記憶があなたの考える通りに彼らを再創造し続けているのです。

あなた方は相手にこうあってほしいと思うことや相手がこうだと自分に都合が良いと思うことにもとづいて、おたがいを創造し合っています。

そうしておいて、自分が創り出した相手が好きだとか嫌いだとか言うわけです。」

 

バーソロミューより

 

 

広告