ART/ 中尾陽一 :絵画鑑賞入門講座 7 / 23『 ターナーとイギリス風景画 (その2)』

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これまで誰も教えてくれなかった

「絵画鑑賞入門講座」 講師:中尾陽一 

 

美術館で開催される国際美術展のプロデューサーとして長年、展覧会の現場で美術作品に接してきた中尾陽一さんによるユニークな「絵画鑑賞入門講座」です。

 

美術の歴史的流れから作品にまつわるエピソードまでを伺いながら、知識と感性をフル回転して先生と一緒に鑑賞します。

初めてご参加いただいても大丈夫!たくさんの作品をスライドで見ながら、現代版寺子屋的アートレクチャーを体験してください。

美術がとっても楽しくなる、これまでにない鑑賞術!

 

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第39回 これまで誰も教えてくれなかった『絵画鑑賞入門講座』

      『  ターナーとイギリス風景画  その2』

 

 

***** 日程 *****

■日時

2017年 7月23日(日) 13時〜15時30分

 

■参加費

4000円

■定員

12名(要予約)

■場所

プロトマニア(東京メトロ九段下駅 3b出口より徒歩2分)

〒102-0073   東京都千代田区九段北1-12-5 市田ビル6F

 

■予約、お申し込みお問い合わせ

講座名、お名前、日中のご連絡先を書いて  こちらから

または、

e-mail: yoyoa@mac.com

phone: 090-2469-4450(荒川陽子)

 

☆メールでのお申し込みに、確認メールを返信せていただきます。

返信メールが届かない場合は、大変恐れ入りますが電話でお問合せください。

 

 

 

***♪***♪ 中尾先生からの7月のご案内

 

ターナーとイギリス風景画 (その2

さて、次回はターナーが描こうとしたものを、同時代のイギリスにおけるもう一人のの巨匠コンスタブルを視座に置くことによって、更に明確にしていきたいと思います。

この二人の巨匠はあらゆる点で対照的です。前回の告知でもお話しましたが、ターナーは弱冠27歳でロイヤル・アカデミーの正会員となった早熟の天才、コンスタブルが正会員となったのは53歳、ターナーと比べると遅咲きですね。

実生活もまったく違います。

ターナーはロンドンの下町コヴェント・ガーデンの理髪店の息子。彼が子供の頃に幼い妹が亡くなります。また彼がロイヤル・アカデミーの準会員になった直後に母親が精神病院に収容され、4年後にはそこで亡くなります。ターナーと父親は大変仲がよく、父親はいつのまにかターナーの助手のようなことまでするようになります。ターナーが54歳の時に父親が亡くなりますが、その時まで二人は同居し、気楽な独身男二人の生活を貫きます。と、公にはそうなっていますが、実はターナーは準会員になった24歳の頃から、4人の子供があったセアラ・ダンビーという未亡人と10年間密かに交際して、二人の娘ももうけていたりします。画家仲間では誰も気づかず、いわゆる二重生活を送っていました。そして父親の死後は、彼が以前絵を描きに通っていたマーゲイトという海辺の町の定宿の経営者、未亡人のソフィア・ブースと懇ろになります。結局、彼女がターナーの最後を看取ることになりますが、ターナーは彼女との仲を公にはしていません。71歳の時にはチェルシー地区に借りた小さな家で彼女と暮らし始めましたが、まわりの人々には彼女の名を借りて「ブース提督」と名乗り、高名な画家であることは誰にも明かしていません。彼の絵画同様、非常に謎の多い人生を送りました。

また、非常に美化された24歳の時の自画像からターナーは美男子だと思っている方も多いようです(私もその一人でした)が、実際のターナーは極端な鷲鼻で風采のあがらない小男。けちで我が強く粗野な振る舞いが多かったようです。かと思えば、気前がよく社交的と評する人もいました。なかなか複雑な性格だったようですね。

一方、コンスタブルは裕福な農家兼製粉業者の家に生まれました。こちらは美男子。

女性観も明快。マリア・ピックネルという女性を一途に愛し、マリアが41歳という若さでなくなるまで12年間の結婚生活で7人の子供に恵まれました。彼はまた子煩悩でマリアの亡くなったあともひたむきに家族を愛し続けました。セアラ・ダンビーとの間にもうけた二人の娘の結婚式にも出席しなかったターナーとは家族観もまったく違います。

また、ターナーがインスピレーションを喚起する風景を求めてイギリス国内から海外まで旅に明け暮れたのに対し、コンスタブルは生涯イギリスを出ることなく、愛する故郷とその近郊およびロンドンの風景を描き続けました。エネルギッシュに忙しない人生を送ったターナーとあくまでも穏やかで落ち着いた生活を愛したコンスタブルと言ったところでしょうか。

こんなにも対照的なターナーとコンスタブルですが、ふたりの絵画の違いはどこにあるのでしょうか?私は、ターナーは見えるものの先にある見えないものを描くことに一生を捧げた画家、コンスタブルは見えるものを愛して、それを描ききろうとした画家だと思います。

次回は皆さんとのその辺りの議論を大いに楽しみにしています。

追伸:次回の幕間では、参加者のMさんからのリクエストにお答えして、イギリスの「遅れてきたカラヴァッジョ派」ライト・オブ・ダービーをご紹介しますライ トはターナーより半世紀ほど前の画家ですが、Mさんが驚かれたようにその描写力には目をみはるものがあります。

 

コンスタブル

ホワイトホールの階段から見たウォーター・ルー・ブリッジ 1819-24
日の出、入江のほとりの城 1840-45年 90x120cm
ライト・オブ・ダービー 空気ポンプの実験 1768年 184×243.5cm

 

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※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力を養うための講座です。

※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう見るか、

そしてそれをどう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」の寺子屋スタイル

で学びます。 お気軽にご参加ください。

 

講座の様子は、プロトマニアのFacebook  からもご覧ください。

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☆*☆*☆*☆*

2017年の日程(予定)

 

8月27日(日) 13時から15時30分

 

9月24日(日) 13時から15時30分

 

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中尾陽一(なかおよういち)プロフィール

早稲田大学大学院修士課程修了(西洋美術史学専攻)

早稲田大学絵画会を創設し、在学中より白日会に出品。4年間のフランス留学を経て帰国し、英仏語による交渉力、インターナショナルなネットワークを武器に、美術館向け展覧会のプロデューサーとして50本以上の国際展を日本および海外で企画する。

企画した主な展覧会:モディリアーニ展、ユトリロ展、フジタ展、マチス展、ブラック展、ミロ展、ルオー展、クールベ展、シスレー展、
ルドン展、ボナール展、デュフィ展、ラファエル前派展、ビアズリー展、スコットランド・ナショナルギャラリー展、
ロー・コレクション西洋絵画の500年展、ヴェネツィア派展、アンディ・ウォーホル&ロイ・リキテンスタイン展、ホックニー展、
キース・ヘリング展、ロバート・メイプルソープ展など

 

ブログ: ルドゥーテのバラの庭 http://rosehugos.exblog.jp

 

 

M.NakaoPro

 

 

 

 

ART/ 中尾陽一 :絵画鑑賞入門講座 7 / 23『 ターナーとイギリス風景画 (その2)』」への9件のフィードバック

  1. 中尾さん、偶然このサイトを見つけました。最近FBで馬越さんとつながり、検索した次第です。土屋次男の方です。今は真面目にタムロンという会社におります。絵は描いていませんが、3〜4年で退職しますのでそれから考えようと、思っています。まずは、馬越さんの個展をのぞいてみます。

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    • 次男くん、久しぶりです。もしかしてウン十年前に私がNYに出張に行ったとき土屋君は夫妻でNYに駐在中で迎えにきてもらって以来ではないでしょうか?その頃すでにタムロンだったような・・・昨年は馬越くんの個展で横内伸吾くんに会いました。このところ毎年、菊地さん、馬越くんと3人で馬場さん宅に遊びに行くのが恒例になりつつあります。昨年は菊地さんが会員の等迦会展(2/20まで)で土屋弘之にも会いました。また連絡を取り合いましょう。

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  2. 中尾さんが先生をされているとは知りませんでした。
    山梨県立美術館は遠いですが、近場で企画展やられましたら是非見せていただきたいと思います。
    土屋 弘之

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    • 土屋くん、お久しぶりです。ちょうどメールにお返事しようと思っていたところです。近いうちにぜい合いましょう!菊地さんのところにでも行きますか?

      いいね

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